幼年童話の書き方28~第3部「自作を語る」その4(最終回)

クラスの子どもたちが心配して

この本の主人公は、宿題が大嫌いな哲平です。そんな哲平の前に現れたのが天小森教授です。二学期が始まった日、学校帰りに立ち寄ったトイレで、「勉強なんか、させません。教えません。教えるのは、宿題をしなくても先生にしかられない方法」(あかね書房版P13)と誘われて、ニコニコ塾に通うことになりました。

初日から早速、哲平は天小森教授に、お説教とも居残り勉強ともおさらばできるという方法を教えてもらいます。教えてもらったことを試したくて、つぎの日が待ち遠しくなる哲平ですが、相手は洪水のように宿題を出して、その取り立ては人一倍厳しいという鬼のユリ先生(オニユリ先生)です。
果たして哲平は宿題から解放されるのか? 天小森教授とは何者なのか? 気になる方は読んでみてください。

この本では、先生(大人)と対峙する子どもを描きました。オニユリ先生の宿題攻撃に挑む哲平です。わたしは常々子どもたちの応援団でありたいと思っているので、あとがきに、「勉強は、学校でするもんです。家に帰ったら、みんなで遊ばなきゃ。宿題はやらなきゃいけないものだ、と思ってたら大まちがい」と書いたのですが。デビュー当時はまだ小学校に勤めていたので、クラスの子どもが「先生、あんなこと書いてだいじょうぶ?」と心配してくれました。(小峰書店版にはあとがきがありません)

2023年10月から始まったこの連載コラムも今回が最後になります。長い間お付き合いくださいまして、ありがとうございました。


野村一秋先生のインタビュー記事もぜひご一読を!
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(1/3)
https://x.gd/etXKc
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(2/3)
https://x.gd/oTLHR
『ミルクが、にゅういんしたって?』著者・野村一秋先生に聞く(3/3)
https://x.gd/sq5xe

野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。