ぼくはもとの体にもどった。
ふりむくと、クマやシカ、タヌキたちが、こちらをじっと見ている。
「やあ、みんな。ケガはなかったかい?」
ぼくには、動物たちと交信できる機能がある。
むねのスイッチをきりかえながら、手をふった。
「あのさー、ハチくん」
クマさんが近よってきた。
「うちゅうキック、すごかったろう? クマさん、どう? 感動した?」
「そんなのどうだっていいんだ。ほら、みてみろよ」
向こうを見ると、木が折れ、岩がこなごなにくだけている。
「私のおうちは? おうちはどこ? きゃー、なにこれ! どうしたらいいのー」
カラスがぐるぐると飛びまわっている。
セミラーがぶつかってたおした木に、カラスの巣があったんだ。
ぼくが戦ったせいで、みんなのすみかが、めちゃくちゃになってしまったみたい。