・・・でも、きれいだと思う分だけ、ぼくの胸はぺったんこにしぼみ、キューと悲鳴をあげる。
べにちゃんは、ぼくの気もしらず次々と話しつづける。・・・ぼくの気も知らず、でもそれは手前勝手だ、そうさせているのは、ぼく自身の嘘にはじまりがあるのだから。
きのうの夜に、告白を決心するまでの経緯。ラブレターを書くのに12時間もかかったこと。内容はいくらたけちゃんでもすぐには教えられない、恥ずかしいから。いつか必ず話すから、それまで待っていてほしい、等々いつまでも話しつづけた。
耳に千万本の矢が、次々に突きささる。ひっきりなしだ。千万回かける千万だ。ぼくは、たまらなく苦しい。涙が出そうなのを必死でこらえた。
「それで、たけちゃんにお願いがあるの。」
・・・いやな予感がする。
「・・・え?うん。なあに? ・・・なんでもいってよ。ぼくできることならなんだってするからさ。」
ぼくは一生懸命に嘘をついた。