「次はくじ引きに行こうよ」
トモちゃんが言いました。
「いやよ。あんなの当たるわけないじゃない。それより、あっちにアイドルの写真の店があったんだ。そっちに行きたいわ」
お姉ちゃんの目はすでにそっちの方を見ています。
「じゃあ、順番にしよう。先くじ引き行ってよ」
トモちゃんの提案にお姉ちゃんは、
「いやだってば。両方行ってたら時間がなくなっちゃうもの」
と反対です。
「えー」
「そうだ、こうしよう。別々に行くの」
今度はお姉ちゃんが提案しました。トモちゃんはまゆをひそめて、
「いっしょにいなさいってお母さん言ってたよ」
と反対したのに、
「終わったら鳥居のところで待ち合わせすれば、いっしょに帰れるでしょ」
と、お姉ちゃん。
「…まあいいけどさ」
仕方なくトモちゃんも承知しました。
「じゃあ後でね」
お姉ちゃんがとっとと行ってしまったので、トモちゃんはちょっと心細くなりながら、それでも一人でくじ引きのお店目指して歩いていきました。