未来の私は、ばばばあちゃん!?

よもぎだんご

さとうわきこ 作
福音館書店
1989年3月刊

昔ながらの知恵を

私が幼い頃、母が買ってくれていた絵本の1冊にこの「よもぎだんご」がありました。
夏休みなど父方の祖父母の家に行くと、決まって祖母は近所で美味しいと評判の和菓子屋で買った「よもぎだんご」を出してくれました。
その思い出もあってか、私の中でこの絵本は特に印象的に残っていました。

家の軒先で子どもたちが泥だんごを作り、ばばばあちゃんに「ひとつどうぞ」と手渡します。すると、「きょうは ほんものの だんごが たべたいね」とばばばあちゃんは子どもたちをよもぎ摘みに誘います。

野原には、よもぎ以外にも食べられる野草が生えていて、ばばばあちゃんはそれぞれの名前や特徴を子どもたちに教えます。
帰り道、転んで膝を擦りむいた子に、ばばばあちゃんはよもぎをもんでくっつけ応急処置をしてあげます。昔ながらの知恵をさりげなく伝えています。

家に帰ると野草を使った料理やよもぎだんご作りが始まります。
みんなでテーブルを囲むシーンになると、子どもたちはこの日がはばばあちゃんにとって特別な日だったことを知るのです。その答えは絵本で!
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