猫アンテナ狂想曲(11/15)

文・朝日千稀   絵・木ナコネコ

でも、なぜだ・・・。
「照準が、合わせられない」オレのつぶやきに、
「照準が、合わない、のか?」猿神さんは、肩を落とし、
「猫アンテナ? 照準?」黒岩さんは、首を傾げた。

そうだよな。
猫アンテナなんて、突然言われても、わかるわけがないかもな。
「黒岩さん、オレ、猫の写真をながめていると、その猫に照準ぴたりと当てたアンテナが、頭の中に立つんです。それをオレ、勝手に猫アンテナって呼んでます」
「すごいじゃないか! アキラくん」
「あ、はい。でも、いつもは、スッと照準が合うのですが、今は・・・」
どうして、うまくいかない?
んっ、あっ、オレ、そういえば、深夜に猫を捜したことってなかった。
「だめです。夜の暗さが邪魔をしているのかもしれません」

だったら・・・。
どうする?
どうしたらいい?

朝日千稀 について

(あさひ かづき)福井県福井市在住。3猫(にゃん)と一緒なら、いつまでもグータラしていられる

木ナコネコ について

(きなこねこ)福井生まれ、大阪住まい。福井訛りの謎の関西弁が特徴。猫と珈琲と旅が好き。