「ハチさん、ごめんね。ちょっと分けてくれよ。今度花のたねをまいておくからね」
チャロは、ハチのすからハチミツをとりだします。
「今日はすごくいいハチミツがとれた!」
トローリトローリと、黄金色のハチミツがつぼをみたしていきます。森の動物たちは、いつもチャロがとってくるハチミツを楽しみにしていました。
「このハチミツを食べると元気になるわ」
「なめると、のどのちょうしがよくなるね」
動物たちにとって、ハチミツは大切な薬でもあります。かぜだって、チャロのハチミツをなめるとすぐになおるのでした。
「ぼくが大きくなったら、もっとハチミツをとってきてあげるからね!」
そう言って、チャロは目をキラキラさせました。
みんなはチャロが大きくなって、えものをとったり、オオカミから守ってくれる日を心まちにしていました。
「ぼくは強い王様になって、みんなを守るんだ!」
チャロは、大きくなって、みんなからしたわれている自分のすがたをそうぞうしていました。その頭には、金色のかんむりがキラキラとかがやいているのでした。