ズシーン、ズシーン
音とともに空気がゆれています。
チャロはゆうきを出して、おそるおそるふりかえりました。
すると、ま後ろに大きな大きなくまが立っていました。
「うわぁ! くまだぁ‼」
チャロは、ころがるようににげ出しました。大きなくまが何かさけんでいますが、こわくてふり向くこともできません。
チャロは、大急ぎで村長にほうこくしました。
わかいサルたちが、大きなくまの足あとをかくにんし、村は大さわぎになりました。
すぐに動物たちの代表が集まり、話し合いました。
「そんなに大きなくまじゃ、とてもたたかえないよ。引っこしてしまおうか」
リスがプルプルとふるえています。
「いや、ずっとくらしてきた森をはなれるなんてできないよ。行くところもないじゃないか」
ウサギはメソメソないています。
「ぼくらのキバなら、少しはたたかえるかもしれない」
イノシシは、石でキバをとぎはじめました。
「木の上から石をなげようか」
サルは石を手にして、ふりかざすまねをします。
(次のページに続く)