「いや、それほど大きなくまでは、とてもたちうちできんだろう。どうしたものだろう」
村長がそう言うと、みんな下を向いてだまってしまいました。
「あのぉ」
チャロが小さく手をあげました。
「小さいけど、ぼくもくまだ。ぼくが話をしてみるよ」
「あいてはきょ大なくまだ。やめたほうがいいよ」
みんなはいっせいに止めますが、チャロの気もちはかわりません。
「大きなくまはこわいけど、みんなでくらした森をなくす方がこわいんだよ」
それを聞くと、みんなうなづくしかありませんでした。
(次のページに続く)