どれくらい時間がたったでしょう。チャロがそおっと目をあけると、目の前につぼがあります。
「きみのハチミツをもらえますか?」
大きなくまが、チャロに頭を下げています。
「え、ハチミツ?」
チャロは、ヘナヘナとすわりこみました。
「おれは重すぎてえだがおれてしまうから、ハチミツがとれない。だから、ハチミツを上手にとるきみの話を聞いて、となりの山からやってきたんだ」
「そ、そうだったの? ハチミツなら分けてあげるから、早く言ってくれたらよかったのに」
「話そうとしたら、にげられてしまってね。おれは『ロック』と言うんだ、よろしく」
ロックはボリボリと頭をかいてわらっています。
チャロは、ロックのつぼをハチミツでいっぱいにしてあげました。
「ああよかった。うわさ通り、とてもいいハチミツだね」
ロックはつぼを大事にかかえると、ハチミツのお礼に大きな魚をおいて帰っていきました。
それからというもの、ロックは魚とハチミツをこうかんしにやってきました。
そのうちすっかりなかよくなり、森にオオカミたちがあらわれた時は、追いはらってくれました。チャロたちは、お礼につぼいっぱいのハチミツをあげました。
(次のページに続く)