「やっぱり、ぼくは強いくまにはなれないや」
チャロはハチミツをほおばりながら言いました。
「でも、チャロのおかげでロックと友だちになれた。おいしい魚も手に入るようになったじゃないか」
村長は、ロックの魚をほしています。
「そうだね、ぼくはこれからもハチミツをとってくるよ」
チャロは、口のまわりについたハチミツをペロペロとなめました。
「チャロ、お母さんが元気になったお礼よ」
カリンが、花のかんむりをチャロにわたしました。
「わあ、花のいいにおいがする! にあうかな?」
チャロは、花のかんむりをかぶってわらいました。
「よくにあってるよ」
クルミがほめてくれました。
「王様のかんむりもいいけど、ぼくにはこのかんむりが一番だよ」
チャロは、花のかんむりのあまいにおいに、うれしくなりました。
それから3びきで花のたねをまき、水をあげ、森を花でいっぱいにしました。
山の向こうから、ズシーンズシーンと地ひびきが聞こえてます。
「あっ、ロックだ!」
3びきはうれしそうに、地ひびきのする方へ走って行きます。
ミツバチたちが、花の間をいそがしくとびまわっています。(おわり)