第27回ひろすけ童話賞を受賞された、ささきさんに受賞作『おならくらげ』にまつわるお話をお聞きしました。本日は最終回。応援メッセージもいただきました!
◆続けていれば、いつか、かたちになる
――筆記用具を近くに置いてあるとか、「ネタ帳」のようなものでいつもメモをとるなど、創作のコツがあれば教えてください。
ちょっとした思いつきを頭のなかで転がしている時間が長いです。その間、メモをとることもあれば、ある程度構想が固まるまで、考え続けているだけのときもあります。考え続けていると、入浴中にいいアイディアが生まれることが多いので、お風呂を上がってから、あわててメモをとることもしばしばです。
――登場人物のキャラクター設定が重要と言われます。ささきさんが登場人物のキャラクターを考えるとき、大切にしていることは何でしょうか?
最初は大雑把に登場人物の性格を考えます。物語の中には表さないですが、登場する子どもたちの家族の構成や家族の性格なども、大雑把に考えます。ただ、登場人物のことが本当にわかってくるのは、物語を書き出してからです。書き進めていくうちに、なにか起きた物事に対して、その子がどういう反応をするのかが見えてきて、そこではじめて、そうか、こういう子なんだと、理解するという感じです。
――「新作の嵐」で作品を発表しながら、デビューを目指してがんばっている皆さんへ応援メッセージをお願いします。
物語には、作者の意図には関係なく、世の中に出るタイミングがあると思っています。それぞれの物語が持っている運命というか、世の中が求めるタイミングが来たときに、出版化されるものなのだと、思うのです。
『おならくらげ』は最初に作ってから10年を経て、出版化されました。おならがくらげになるというアイディアだけを残して、最初に作ったものとは、まったく違う物語になりました。ですが、10年を経たからこそ、私の経験も加味されて、このかたちにできたと思っています。
とにかく創作を続けていれば、いつか、かたちになるときがやってきます。
私自身にも言えることですが、あせらず、くさらず、自分にしか書けないものを追求していきましょう。
貴重なお話をありがとうございました。
ささきあり
千葉県出身。出版社勤務後、フリーランスの編集記者となる。『おならくらげ』(フレーベル館)で、第27回ひろすけ童話賞受賞。著書に『ふくろう茶房のライちゃん』(佼成出版社)、『せんそうってなんだったの? 父ののこした絵日記』(学研)、「おんなのこ めいさくえほん」シリーズ(西東社)などがある。日本児童文芸家協会会員。
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