「わたしの花がなくなりました。
どこにいったのでしょう。
だれかしりませんか」
土になったのよ
星になったんだよ
あなたの心になったんだよ
あなたのそばにずっといるよ
こたえはいろいろでした。
おばあさんは、わたしに種をくれました。
おじいさんは、苗をわけてくれました。
青年は、花のつぼみを見せてくれました。
娘さんは、花束をわたしに、もたせてくれました。
いなくなった花は、もうずっといないままです。
花が、土や星や心になったり、わたしのそばにいるということが、
ほんとうなのか、たしかめようはありません。
このかなしみがきえることは、ないでしょうけれど、
わたしは、この場所に、種をまくことにしました。
special thanks toイラストレーター 愛さん
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