誰が時計を止められる?

文と絵・田村理江

誰が時計を止められる?

誰が明日を止められる?
誰も明日を止められない。
誰が時計を止められる?
誰も時計を止められない。

さっき眠ったばかりだと思ったのに、もう朝が来た?
ぼくは、ガヤガヤうるさい音で目を覚ました。
でも、おかしいな? 外はまだ、まっ暗。
音は、一階のサロンから流れてくる。

眠い目をこすって、階段をおりると、不思議なことに、サロンのドアから、灯りがもれている。
どうやらサロンには、おおぜいの人が集まっているらしい。
うるさかったのは、みんなのおしゃべりのせいだ。
何をしているんだろう?
誰かのパーティーかな?
大人って、夜まで遊べて、うらやましいなぁ。

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田村理江 について

(たむら りえ)東京都生まれ 成蹊大学文学部日本文学科卒業。日本児童文学者協会第15期文学学校を終了。 第6回福島正実記念SF童話賞を受賞して、『ガールフレンドは宇宙魔女』(岩崎書店)を出版。 児童書の作品に『リトル・ダンサー』(国土社)、『夜の学校』(文研出版)、『魔の森はすぐそこに・・・』(偕成社)など。絵本の作品に『ふなのりたんていラッタさん』(フレーベル館)、『ハンカチのぼうけん』(すずき出版)など。 HP:田村理江のページ