「ママー、どうしたの? もう夜だよ」
シャンデリアの光で輝くサロンに、ママの姿を見つけ、かけ寄った。
「まぁ、おちびちゃん。あなたは、ねんねしていていいのよ」
ここにいるのは、大人ばかり。
パーティーじゃなさそうだ。だってみんな、ちっとも
楽しそうじゃないもん。
「うるさくって、眠れないよ。なんで、こんなに人がいるの?」
「それはね・・・、サロンの時計が、3分前になったからなのよ」
時計が動き出したって?
ぼくは知っていた。サロンの時計が0時を指したら、おそろしいことが起きるって。
核爆弾っていうやつで、地球がジグソーパズルのピースみたいに、バラバラになっちゃうって。
そうしたら、ぼくたち、どうなるの?