おおぜいの人のまん中に、パパがいた。
今まで、ぼくの困ったことは、ぜんぶパパが解決してくれた。
なのに…。今日は、パパも困っている。
「誰か、この時計を止めてくれないか?」
パパは、時計を止められそうな人を、5人、選んだ。
まずは、大統領。
「ふううむ・・・。わしには、できかねる」
テレビや新聞で、いつも世界の平和を守ると言ってるくせに、止め方を知らないなんて。
たくさんのお金と、たくさんの人を、いっぺんに動かせるトップなのに、そんな人でもできないことがあるんだな。
つづいて、どんな難しい問題でも、たったの1秒で答えてくれる、算数の先生が登場。
時計の文字盤についた数字を、足したり、引いたり、掛けたり、割ったり。
それでも結局、時計静止算の答えは出なかった。