5 真夜中の出来事
気がつくと、真夜中になっていました。
太一さんの上にはあたたかな毛布がかけてありました。
家の中は、しんと、しずまり返っています。
ふと見ると、ツリーのそばにサンタクロースが立っていました。
「おや、サンタさん。こんばんは。ずいぶんと、お久しぶりですね」
「こんばんは、太一。わしは、毎年、来ていたんだが、大人になったおまえさんには見えなかっただけじゃ」
「そうか。サンタは子どもにしか見えない決まりでしたね。
それなのに、今年、私にもサンタさんが見えるのは、いったい、どういったわけですか?」
太一さんがたずねると、サンタは言いました。
「いやな。おまえさんに期日指定のプレゼントがあるからじゃよ」
「期日指定のですって? だれから?」
「9才のおまえさんからじゃ」








