2025クリスマス特集④ 期日指定のプレゼント

7 サンタのごほうび

太一さんは涙が出るほど笑ってから、
「私は、まちがいなく、金メダルですよ」
と、折り紙の金メダルを自分の首にかけました。
「では、わしからのごほうびをあげるとしよう」
サンタも笑いながら、太一にたずねました。
「おまえさんが、今、一番ほしいものは何だね?」
太一さんは考えて、
「一度、あなたのそりに乗ってみたいです」
と、答えました。
サンタはうなずいて、ポケットから、小さい、赤いぼうしを取り出しました。
サミュエルがかぶっていたのと、よく似たぼうしです。
サンタがそれを太一さんの頭におくと、太一さんは9才の男の子になりました。
「これでおまえさんは、今夜、わしの助手じゃよ」
ぷわんと、けむりが立ちました。
目を開けると、太一さんはサンタのそりの上にいました。
「それ行け、トナカイたち!」
サンタの声で、そりは空高く、飛び始めました。
こうして、その夜、太一さんはサンタのプレゼント配りを手伝って、大いそがしでした。

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