2026お正月特集④

「さあ、そろそろ帰るよ。夕食のじゅんびしないといけないからね」
「うん、わかった、おにいちゃん。楽しかったね」
えっ、ごはん、男の子が作るの?
ぼくはびっくりした。

夜おそくなってお母さんが帰ってきた。
「ごめんね。お正月でいつもよりいそがしくて、おそくなっちゃった」
ここのおうち、お父さんはいなくて、お母さんが働いてるんだね。
「ねえ、お母さん、今日ね、ぼくがわかとベランダにいたら、このたこがとんできたんだよ」
「あらまあ」
「それでね、お兄ちゃんと返しに行ったんだけど、その子、もういなかったの。それでお兄ちゃんが糸つけてくれて、そのたこ、かりてたこあげしたんだよ」
わかちゃんとよばれた女の子が、うれしそうにお母さんに報告した。
「なつかしいたこね。お借りするんだったらこわなさいように気をつけてね」

よく日は雨だったので公園にはだれもいません。
その次の日、ベランダから公園を見ていた二人は、同時に声をあげました。
「あっ。あの子たちだ」
「さあ、返しに行こう」
ぼく、うみと君たちのおうちに帰れるんだね!
でも公園に着いた時、ぼくはショックを受けた。

えっ、何それ?
うみと君の手には新しいたこがにぎられてたんだ。
「あの、これ、君のたこじゃない? ぼくんちのベランダにとんできたんだ」
「あっ、タコタロウだ。もう、新しいの買ってもらったからいらないや」
ぼく、もういらないの? もう、うみと君たちと遊べないの?

「それなら、ぼく、もらってもいい?」
男の子がおずおずとたずねた。
「いいよ」
うみと君は、すぐに返事した。

(次のページに続く)