WEB版『BOOK&another story』(5/5)

文・田村理江   絵・小野寺美樹

アゴタ・クリストフ
悪童日記

あらすじ

戦災を逃れようと、大きな町から双子を連れた母親が、小さな町の実母を頼ってやって来る。“魔女”と恐れられる実母に双子を預けて、母親は去って行く。その日から、祖母と双子の暮らしが始まった。苦しい生活の中、祖母は双子に厳しく接し、労働を覚えさせ、困難な現実を凝視させるように仕向ける。

双子は悪環境に順応し、家に唯一、置いてあった聖書を教科書として、読み書きを学ぶ。二人は片時も離れることなく、協力し合って、心と身体を鍛錬していく。
外見は、皆に称賛される美少年に育った二人だが、生き抜くために、盗みもゆすりも、時には殺人さえも辞さない、恐るべき人格が築きあげられていく。

田村理江 について

(たむら りえ)東京都生まれ 成蹊大学文学部日本文学科卒業。日本児童文学者協会第15期文学学校を終了。 第6回福島正実記念SF童話賞を受賞して、『ガールフレンドは宇宙魔女』(岩崎書店)を出版。 児童書の作品に『リトル・ダンサー』(国土社)、『夜の学校』(文研出版)、『魔の森はすぐそこに・・・』(偕成社)など。絵本の作品に『ふなのりたんていラッタさん』(フレーベル館)、『ハンカチのぼうけん』(すずき出版)など。 HP:田村理江のページ

小野寺美樹 について

(おのでら みき)1995年千葉県生まれ。学習院大学卒業後、武蔵野美術大学造形学部に編入。2012年春から毎年、『BOOK展』(ギャラリーウシン)に絵画作品やポストカードを出品。