家になったくまさん(3/5)

文・おと   絵・あかね

すると、トントントンと、口をだれかが たたくのです。
「なにをしているのだい。だいじなお客さまだよ。口を大きくあけなさい」
まじょが、とつぜん こわい顔をして言うのです。

あわてて、口を大きくあけると、まじょのまごのリリーが、
「ウフフ。おばあさま。わたしが、テディベアをすきと聞いて、ほんとうに家にしてくれたのね」
と、とびはねながらよろこんでいます。
「かわいいリリーちゃんのためなら、なんだってするのさ」
まごには、あまいまじょが、言いました。

「ウフフ。おばあさま。おしゃれな、おばあさまにしては、少し、じみではないかしら。耳のことなのだけれど、リボンをつけたらどうかしら」
「そうだね。かわいいテディベアの家にするには、リボンがひつようだね」
「あと一つ。おばあさま。少しよごれているみたいだから、きれいにみがいた方がいいと思うわ」
と、わがままなリリーが言うと
「リリーちゃんが、きれいにみがきましょうと言ったのが聞こえなかったのかい。はたらかないと ガブっと 食べてしまうぞ」
と、まじょが、こわい顔をして、リスをにらむのです。

おと について

私は、いじめに耐えきれず、小さい頃は居場所をずっと探していました。 空想をして現実逃避をすることが私の幸せでした。 気づいたら空想を物語にすることが趣味になっていました。 幼なじみの あかね が仕事が大変な中、素敵な絵を描いてくれました。 難しい漢字が苦手な自信がない私を両親はどんな時も支えてくれました。 私は、居場所がないのではなく、気づいていなかっただけでした。 自分に自信を持てずいろいろなことに挑戦をしましたが、どれも中途半端で駄目でした。何をしても駄目でどん底になった時にドラマを見て客観的に自分を見ることができ、こんな素敵な物語を書けるように、まず自分が変わらないといけないことに気づき、今は自分ができることを精一杯頑張ることにしました。 いつになるかわからないけど、私の書いた物語で苦しんでいる人が少しでも笑顔を取り戻せるような物語を書きたいと思っています。 まだ、未熟で、われかけている卵の中にいるひよこの私ですが、夢を叶えられるように、努力をします。

あかね について

保育士をしていたこともあり絵を描くのが好きでたくさん描いていました。 食べることが好きなので食べ物の絵を描く時は一番ワクワクしながら描いています。 これからも子どもたちに夢を与えられるような楽しい絵を描いていきたいです。