『扉をあけると。Ⅲ』
紙ひこうき 編著
銀の鈴社
児童文学サークル紙ひこうきの新刊のご紹介です。
前2冊は、ともに全国学校図書協議会選定図書に選ばれた名作(1冊目は日本図書館協会選定図書にも選ばれました)。
今回もワクワクしながら本の扉を開きました。
どの作品もファンタジーの入り方が自然で上手い! またリズム感がよくて読みやすいのです。
作品のほんの一部をご紹介します。
とおりぬけたよ まじょの森(かとうけいこ・作/絵)
「おかあさんの声が追いかけてきそう」「トンネルのように木と木が手をつないで」――臨場感ある情景が心にうかびます。素敵ですね。
アオと空(橋本たかね・作/絵)
「わかっているけれど、出来ない」――これって誰でも経験することです。そこに共感しながら、アオとともに応援したくなる展開。
もう会えないけれど、友の活躍を喜ぶアオにしんみりときました。
おばけのきもだめし(児島まみ・作/チャト・絵)
おばけ世界の設定がユニーク。きもだめしで誰かをおどろかし、そのおどろいた声が名前となる。そしておどろかせられなかったら消えてしまう・・・これは、おばけ世界の決まりごと。この決まりごとに納得してしまう筆力の高さ!
そして主人公(おばけ)のもらった名前は?「あーびっくりした。こんなにおどろくおばけがいるとは」(←長いから長生きできる名前)。
嬉しくなるラストでした。
銀の鈴社から、絶賛発売中です。小学校の朝読書におススメです。
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