<その7>
チャン小熊ねずみはとてもうれしいきもちになりました。
そしてボールをうきわにしてのしおよぎやひらおよぎで川をおよいで行きました。
アナグマのお母さんが、時おりチャン小熊ねずみのお口に、おさじによそったはちみつを入れてくれたので、つかれておよげなくなることもありませんでした。
川をおよぐチャン小熊ねずみをはげますみんなのかけ声がいつしか一つになっていました。
「チャン小熊! チャン小熊! チャンこぐチャンこぐチャン小熊!」
チャン小熊ねずみはその声に合わせて、川の中を進みました。
「チャン! チャン! チャン! チャン! チャン小熊! チャン小熊! チャンこぐチャンこぐチャン小熊!」
しだいにスズランのすんだあまいかおりがしてきました。
まんかいのスズランにかこまれたびょういんが見えてきました。
おばあちゃんの入いんしているスズランびょういんです。
チャン小熊ねずみは目をこらしてびょういんのまどを見ました。
(おばあちゃんはどのまどのおへやかしら)
雨がやみ、おひさまが出てきました。
びょういんのたてものの、ちょうど真ん中あたりのまどが一つ開きました。
そして、そのまどからチャン小熊ねずみのおばあちゃんがかおをのぞかせました。
おばあちゃんはだいぶびょうきが良くなってました。ひさしぶりにおひさまが出たお空を見ようとまどを開けたところだったのです。(次のページに続く)