幼年童話の書き方~第1部「基本のキ」その8

その8「構成」

今回は、「起承転結」の構成を『三びきのこぶた』(イギリス昔話、瀬田貞二・訳、山田三郎・画  福音館書店)を使って説明します。
まずはあらすじです。

おおかみはなんとかして
① 昔、あるところにお母さんぶたと3匹のこぶたがいた。
貧乏で子どもたちを育てきれなくて、3匹をよそに出した。

② はじめに出かけたこぶたは、わらたばをもらって家を建てた。
まもなく、おおかみがやってきて、家を吹き飛ばしてこぶたを食べた。

③ つぎのこぶたは、木の枝をもらって家を建てた。
すると、おおかみがやってきて、家を吹き飛ばしてこぶたを食べた。

④ 3番目のこぶたは、レンガをもらって家を建てた。
するとまた、おおかみがやってきて家を吹き飛ばそうとした。が、吹き飛ばせなかった。

⑤ でも、おおかみは諦めずに、「ごんべさんの裏にいいカブ畑があるからいっしょに行こう」と誘った。
おおかみは6時と言ったが、こぶたは5時に起きてカブを取ってきた。
6時にやってきたおおかみはとても腹を立てた。

⑥ おおかみはなんとかしてこぶたをとっつかまえてやろうと思って、「公園の下にいいりんごの木があるから迎えにきて取ってやる」と言った。
5時という約束だったので、こぶたは4時に起きてりんごを取りにいった。
ところが、りんごの木のある公園が遠くて、おまけに木に登らなくてはいけなかったので、おおかみが来てしまった。こぶたはびっくり。こぶたはりんごを遠くへ放って、おおかみがそれを取りにいっている間に逃げた。
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野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。