幼年童話の書き方~第1部「基本のキ」その11

その11「ネタ集め」

動物と人間の交流やふれあいを描いた話を10枚で
以前、読者があっと驚くようなド派手な展開にするにはユニークなキャラクターが必要と書きました。ユニークなキャラクターでないとおもしろい物語はできないのかというと、けっしてそんなことはありません。どこにでもいるような平凡な人物を主人公にしても物語はできます。

というか、そういう物語も大切にしたいです。なんといっても、読者の大半は平凡な子どもたちなんですから。主人公が平凡なら親近感が湧くし、共感もしやすくなるってもんです。

ということで、今回は平凡な主人公の話です。『動物園のドブネズミ』は日本児童文学者協会からの依頼で書いた作品です。『動物だいすき!』というアンソロジーのシリーズの第2巻『くたばれタイガース』(岩崎書店)に収録されています。

「中学年向けの、動物と人間の交流やふれあいを描いた話を10枚で」というのが依頼の内容でした。そこで取り出したのがネタ帳です。

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野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。