その5『きつねのでんわボックス』と擬人化の手法
『きつねのでんわボックス』
(戸田和代・作 たかす かずみ・絵 金の星社 1996年)
🦊山の麓まで来ると
きつねの電話ボックスって? きつね型の電話ボックスとか、きつねのための電話ボックスとか? 大人でもあれこれ考えてしまいそうです。ひょっとしたら電話ボックスを見たことがない子どももいるかもしれませんね。
主人公は、最愛のこぎつねを失ったかあさんぎつねです。山奥でいっしょに暮らしていたのですが、病気で死んでしまいました。毎日泣き暮らしていたかあさんぎつねは、「あのこの おかげで、たのしいことが、いっぱい あったんだもの。元気を ださなくちゃ・・・」と自分に言い聞かせて歩きだしました。
山の麓まで来ると、明かりのついた電話ボックスが見えました。その中では、小さな男の子が電話をかけていました。いつのまにか、かあさんぎつねは男の子とこぎつねを重ね合わせていました。
こうして電話ボックスを舞台にしたお話が始まります。
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