幼年童話の書き方28~第3部「自作を語る」その4(最終回)

その3『天小森教授、宿題ひきうけます』--子どもたちの応援団でありたい

中学年向けのナンセンス童話『天小森教授、宿題ひきうけます』の表紙画像
(野村一秋・作 南伸坊・絵   小峰書店・2004年)

挿絵は南伸坊さん

今回は幼年童話ではなく、中学年向けのナンセンス童話です。これがわたしのデビュー作です。デビューのきっかけは、同人誌『亜空間』に発表した「命がけ」という高学年向けのリアリズムでした。偶然、「命がけ」を読んだあかね書房の編集者Hさんがわたしに興味を持ってくれて、以後2年間、『亜空間』が発行されるたびにわたしの作品を読んでくれたそうです。

こうしてじっくりと見定めてから手紙をくれたんです。「『命がけ』は暗くて重い話なので、もっと明るくて楽しい話はないですか?」と。それで送ったのが「命がけ」よりも前に『亜空間』に発表した「宿題いっぱい、腹いっぱい」で、これが『天小森教授、宿題ひきうけます』というタイトルになって出版されました。

デビュー作にもかかわらず、挿し絵は南伸坊さんが描いてくださいました。出版社に送られてくる愛読者カードには、挿し絵がかわいくて買いました、なんていうのもあって。ほんとに恵まれたスタートでした。

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野村一秋 について

(のむら かずあき):1954年、愛知県に生まれる。教員として小学校に勤務した経験のもと、子どもの目線に立った作品を生み出している。日本児童文芸家協会会員。日本児童文学者協会会員。日本文藝家協会会員。主な作品に『天小森教授、宿題ひきうけます』(小峰書店)、『しょうぶだ しょうぶ!』(文研出版)、『ミルクが、にゅういんしたって?!』『4年2組がやってきた』(共にくもん出版)などがある。