日の出ようちえんのうらに、大きな1ぽんのさくらの木がありました。
あきになり、みどりいろのはっぱたちは、いろをかえました。
きいろいはっぱ。赤いはっぱ。金いろにかがやくはっぱまであります。
「まあ、あなたの赤いいろ、なんてすてきなの。まるでお日さまみたい」
「きみのきいろいいろこそ、お月さまみたいできれいだよ」
はっぱたちは、みんなでほめあいます。
そんな中で、1まいだけ、ちゃいろのあなあきはっぱがありました。リーフスキーです。
「見てみろよ、あのいろ。きたないねえ」
「あなもあいてるよ。みっともないったらありゃしない」
きれいないろのはっぱたちは、ひそひそとリーフスキーのわる口をいいます。
リーフスキーは、いつもひとりぼっちでした。
あるとき、リーフスキーは、うさぎの女の子が、ベッドからそとをながめているのを見つけました。
このあいだ、ようちえんのブランコからおちて、足をケガした女の子です。
「あの子のおうちは、あそこだったんだ」
それからまい日、リーフスキーは、うさぎの女の子をながめていました。
「またきょうも、あの子が見ているよ。はやく足がよくなって、ようちえんにかよえるといいなあ」
ピュール、ピュルルル~
あるあさ、つめたいかぜがふきました。
はらはら、ひらひら
はっぱたちは、ひらひらと、じめんにまいおりました。
森の小みちは、たくさんのいろのおちばでいっぱいです。
まるで、いろとりどりの毛糸であんだふとんがかかっているよう。
リーフスキーは、みんなとすこしはなれたところに、ひらりとおちました。
「えだについていたときは、とおくまで見えてたのしかったねえ」
「しゃくとり虫さんがきたときは、くすぐったかったよね」
「しらない町のはなしをしてくれた小とりさんたちは、げん気にしているかしら」
きれいないろのおちばたちは、まい日、そんなはなしをしながら、えだについていたころのことを、なつかしんでいました。
「あのうさぎのおんなの子の足は、なおったかなあ」
リーフスキーだけは、ひとり、うさぎの女の子をしんぱいするのでした。