それからなんにちかたった日のことです。
「白ヘビがいるぞ」
にんげんのこえがしました。
「にんげんだ! ピヨタ、にげるぞ!」
でも、ピヨタは、そんなにはやくはしれません。
とうとう2ひきはつかまってしまいました。
《オレもおかあさんみたいに、ころされるかもしれない。でもピヨタだけはまもってやらなくちゃ》
ところが2ひきは、すぎばやしのとなりにあるじんじゃまでつれて行かれると、そこではなされたのです。
そこには、たくさんのにんげんがいました。
「白ヘビさまじゃ。かみさまのおつかいの白ヘビさまじゃ。ありがたや、ありがたや」
にんげんたちは、ニョロタをおがみます。
よくじつには、あめがふりました。
ずっとあめがふらなくてこまっていたむらびとたちはおおよろこび。
さすが白へびさまだと、ますますおがむ人がふえました。
「いったい、どうなってんだい。よのなか、だれがてきで、だれがみかたかわかりゃしない」
それから、ニョロタとピヨタは、なかよくくしあわせにくらしました。
そうそう、おとなになってはねの白いニワトリになったピヨタは
「ぼく、やっぱりおかあさんのこどもだったんだね! おかあさんとおんなじ白いいろになったよ」と、おおよろこびしたことも、みなさんにはごほうこくしておきましょう。
だからちがうんだってば(4/4)
文・山庭さくら 絵・井上真一