6 鬼ヶ島
モモを おいこし さきまわり
モモが ゆくところ
(カタマッテイヨウ)と クスクス
モモに わかりやすいよう
(アツマッテイヨウ)と イヒイヒ
つねに いばしょを かえないと
モモの かおりに あつまってくる
ひとや モノたちが こみあう 陸から
モモは とうとう
海へ にげだした
黒い 海流が うずまいた
モモは 落雷で 目が くらんだ
黒砂糖の ような コオニたちは かたまって
大きな島の カタチを 海に 流れる モモに みせた
こっちに おいで
こっちに おいで
黒い海流が モモを はこんだ
大波小波
げきりゅう あれる まっ暗な 海なのに
モモは 潮水すら のみこむことも なく
黒砂糖の 濁流に ささえられて
黒い 三角菓子のような 鬼ヶ島へと
うちあげられた