『しろいうさぎとくろいうさぎ』
ガース・ウイリアムズ ぶん・え
まつおかきょうこ やく
福音館書店
「ふたりにぴったりだなと思って・・・」
友人が結婚祝いにプレゼントしてくれたのが、この本との出会い。
台風がくるとゴゴゴ~っとゆれて、そのままどこかに吹き飛んで行ってしまいそうな古いアパート(窓を開けると大きな木が見えるのがお気に入りでした)で、まだつやつやと若い私たちは、ちょうどこの本に出てくるようなふわふわで可愛らしいたれ耳うさぎの女の子を飼っていました。
広い森の中に住んでいる、2匹のちいさなしろいうさぎとくろいうさぎ。
毎朝2匹は、ねどこから跳ね起きて光の中へ飛び出していきます。そして、馬跳びをしたり、ひなぎくやキンポウゲの咲いている野原でかくれんぼをしたりして一日中楽しく遊びます。
ところが、しばらくすると、くろいうさぎがすわりこんでしまいます。そして、とても悲しそうな顔をするのです。
「どうしたの?」としろいうさぎが聞いても、「うん、ぼく、ちょっとかんがえてたんだ」とくろいさぎ。
大好きなたんぽぽをたくさん食べても、冷たいお水を飲んでも、くろいうさぎはしばらくすると、やはり悲しそうな顔をして座り込んでしまうのです。
「さっきから、なにをそんなにかんがえているの?」としろいうさぎはたずねます。
「ぼく、ねがいごとをしているんだよ」
くろいうさぎはどんな願いごとをしていたのでしょうか・・・?
続きはぜひ絵本を手に取ってください。
約7年間、私たち夫婦の悲喜交々を、静かに、ときにはダンダンと足を鳴らして見守ってきてくれた我が家のうさぎ・とろちゃんは、昨年お月様に帰ってしまいました。
「だいすきなパパとママ、いつまでもなかよくくらしてね」
お空にジャンプする前、とろちゃんはつやつやと輝く黒い瞳でそんな風に願っていた気がします。
大好きな人と一緒にいるということを決める。
結婚のシンプルで、いちばん大切な意味を思い出させてくれるこの作品。いつか大人になって大好きな人と出会う子供たちへ、結婚という素敵なメッセージを優しく伝えられるのではないでしょうか?
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