トモちゃんはお客が来るまで、お金のかんじょうの手伝いをしながら待っていました。
そのうちどのくらい時間がたったのか、さっぱりわからなくなっていました。長いような、まだ少ししかたっていないような。
そしてついに――
「来た」
お面屋が言いました。空を見上げています。
「えっ、空? どこ?」
お面屋が指差しました。そこには――
「お月さまだよ」
と言ったトモちゃんでしたが、次の瞬間驚いて「ぎゃっ」と声をあげてしまいました。
ずっと空に浮かんでいたお月さまが、突然ゆらゆらとゆれたかと思うと、そのままゆっくりと落ちてきたのです。