アメリカはただ今夏休みの真っ最中。
日本の小学校よりも1月以上早いスタートです。
さまざまなイベントが目白押しの夏に、今年子供たちがとても楽しみにしていたもの、それが『オズの魔法使い』の観劇でした。
学校で『オズの魔法使い』を題材に、日本で言うところの「道徳」に近い授業を行ったのですが、ちょうどよいタイミングでフォレスト劇場が夏の舞台に『オズの魔法使い』を上演すると発表になったため、楽しみにしていた子供がとても多かったのでした。
◆大人顔負けの議論
アメリカの学校では、よく絵本を使って道徳の授業を行います。今年長女の小学校で行った取り組みは、生徒たちが1冊ずつ自分の好きな絵本を紹介し、自分がその本の中で何を学んだかを発表するというものでした。その後学期末に投票を行い、子供たちの発表した本の中から人気の高い2冊を選び、全員がそれを読むように指示されました。
読了後にその本から「何を学んだか」を教室で議論したのですが、その授業には心底びっくりしてしまいました。親も見学を許されたので私も観に行ったのですが、誰もが積極的に意見を言い合い、大人顔負けに堂々と自分の見解を述べ、「これが本当に8歳の子供の授業か?」と疑ってしまったほど。このとき、子供たちの選んだ本のうちの1冊が『オズの魔法使い』だったのです。
「大切なものは見えないけれど、心を開けば感じることができるはず」、「本当は誰もがすべてを最初から持っていることを学んだ。それを思い出せばいつでも幸せになれるはず」、「仲間がいれば、恐怖も打ち勝てる」・・・これらはすべて、子供たちが発言した言葉です。
ちなみに、『オズの魔法使い』と共にもう一つ選ばれたのは、今アメリカで大変話題になっている絵本『 We Are All Wonders 』でした。生まれつき目が一つしかない少年の物語で、どんな人間もみな奇跡の存在なのだという素敵なお話です。興味があればぜひ読んでみることをお勧めします。