川越で行われた、毎年恒例のBOOK展も無事に終了いたしました。
桜の季節と重なり、ギャラリーの窓からの眺めも春らしい展示となりました。
会場での様子を報告させていただきます。
2021年3月3日~27日まで行われた「本にまつわる」展覧会でした。
蔵書票、栞、ブックカバー、装丁原画など、本を彩る手仕事をご覧いただくという内容でした。
今年は、ギャラリーオーナーの細野敦子さん、イラストレーターの川畑都さんと共に、絵本を制作しました。タイトルは『イマジナリージャーニー』。
コロナ禍で気軽に旅行が出来ない現在、せめて空想の旅を楽しみましょう、という趣旨で、主人公のミモザが、ぬいぐるみのポケと一緒に、各国を巡ります。
訪れる国はパリ、キンセール、フィジー、桂州、ペトラ。
文中の単語が、それぞれの国の言葉(フランス語・英語・中国語・アラビア語)に翻訳されている点も、この絵本のポイントです。知らない国の言葉を知り、旅の気分を盛り上げていただけたらと思います。
各国をイメージした布コラージュと、ポップで可愛らしいイラストの融合が楽しい絵本です。
展覧会では、主人公「ミモザ」と、ぬいぐるみの「ポケ」が、ページから飛び出して、会場に展示されました。羊毛フェルトでの人形制作は、松田富美子さん。
絵本の場面に出てくるキリンそっくりな表情の、編みぐるみ「ポケ」は、菊地ゆかさんの制作。
その他に、私は書下ろしの短編小説「森の中の幻」(原稿用紙20枚程度)を展示。昔のガイドブックに載っていたのに今は誰も存在を知らない、謎のお城を探しに行く女性のファンタジーストーリーです。
トランク型のファイルを作り、それを開けて読んで頂くようなスタイルを考えました。
会場にはテーブルや椅子がゆったりと置かれ、誰かの部屋を訪れたような気分で、物語世界を味わっていただけたのではないかと思います。