「この占いは、ぜったい、当たるんだよ。未来のパートナー占い」
「なにそれ?」
「心の邪念を取っぱらって、ドーナツを掲げてみなよ」
「こう?」
「そして、右目の前に持ってきて」
ドーナツの輪っかを、片レンズのメガネみたいに、目に近づける。
キリ君が、珍しく、つっかえながら言う。
「そ、そうすると、ね、未来のパートナー、見えるだろ?」
「!」
見えた瞬間、ルナは照れくさくて、大口をあけて、持っていたドーナツにかぶりついた。
冗談はよしてよ、って笑えたはずなのに、どうして咄嗟に言えなかったんだろう?
それから2年後、二人の結婚式では、山ほどのドーナツが振舞われた。
お菓子占いは、大当たりだ。
(おわり)