サワガニの理容室(2/6)

文・ねこはるさめ  

次に理容室にやってきたのは、ねむたそうな顔をしたふくろうでした。
「ほーほー、こんにちは」
「あら、ふくろうさんこんにちは。・・・どうなされたのですか? ずいぶんとねむそうですが」
ふくろうは「そうなんじゃよ」と大きなあくびをしました。

「わしはふだん、こんな昼間はねむりこんでおるんじゃが、最近ねつきが悪くてのぉ。さんぱつでもしてスカッとすれば、ねむれるかと思って来たんじゃよ」
「かしこまりました。それではイスにおすわりください」
とは言え、さんぱつでねむれるようになれるものかとサワガニは考えます。

イスにこしをかけたふくろうは、こくりこくりとうなづいてねむそうなのですが、すぐに顔を上げて目をさましてしまうようでした。
〈ああ、わたしの店のイスが、ふかふかのクッションだったら良かったのに・・・、うん? ふかふかのクッション・・・そうか! なければ作ってしまえばいいんだ!〉

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ねこはるさめ について

和歌山県出身。ボランティアでオリジナル童話の読み聞かせ活動をしています。それ以外にも、少し大人びた児童文学テイストな作品を創作。人がいだき育む幻想を紡いだ短編を好んで書きます。 ホームページ:滑空舎 http://kakkusha.sakura.ne.jp/media/