サワガニの理容室(2/6)

文・ねこはるさめ  

サワガニはブラシを手にすると、せっせとふくろうの羽毛をこまかくブラシがけしはじめました。
「んあっ!」
ふくろうは、はねるように顔を上げました。
「おきゃくさま、仕上がりましたよ」

サワガニの言葉に、ふくろうは自分がねていたことに気づきます。
「おお、なんと気持ちよくねむってしまったわい。どうしてとつぜんねむれたのやら・・・うん?」
ふくろうは、自分の体がもこもことやわらかなことに気づきました。

よくよく体を見てみると、小さな羽毛のひとつひとつがくるくるとまき毛になっていて、まるで毛布にくるまれているような心地よさだったのです。
「なるほど、これはねむりをさそってくれそうじゃ。サワガニさんありがとう」
ふくろうは大きなあくびをひとつすると、「家に帰って、ひとねいりじゃ」とつぶやいて帰ってゆきました。

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ねこはるさめ について

和歌山県出身。ボランティアでオリジナル童話の読み聞かせ活動をしています。それ以外にも、少し大人びた児童文学テイストな作品を創作。人がいだき育む幻想を紡いだ短編を好んで書きます。 ホームページ:滑空舎 http://kakkusha.sakura.ne.jp/media/