毎年ギャラリーウシンで開かれていたBOOK展も、今年で12回目。本好きな人たちによる“本の世界を楽しむ”展覧会で、年ごとにテーマが決まっていました。
今年のテーマは“ガリ版”。オーナーさんがアンティークのガリ版機を手に入れたことから企画が始まり、私もガリ版にまつわるショートストーリーと絵を5作、創りました。展覧会は終わりましたが、そこで公開した作品を皆様にも読んでいただけたら嬉しいです。
◆BOOK展の様子はこちらから→BOOK展2023を終えて
◆動画はこちらから→YouTube「BOOK展2023」
まだパソコンもプリンターも普及していなかった昭和時代に、誰もが身近な印刷機として触れていた“ガリ版”。「懐かしい!」と記憶をたぐる方にも、「ガリ版って何?」と首をかしげる方にも、ほのかなインクの匂いが届けられたらいいなと思います。
『あの子』
小学校時代、私は新聞委員で、ガリ版を使って学級新聞を作っていました。友だちの家に集まって編集会議をして、本物の新聞のようにロゴに凝ったり、四コマ漫画を載せたり。クラスで配った時の反応も気になったものです。本棚の奥にいまだに取ってある思い出の新聞。遠い記憶を呼び覚ますガリ版刷りの学級新聞を作品にしてみました。