「パパ・・・。このおばけ、しりあい?」
ぼくがきいたら、おばあさんのおばけは、かおと同じ青白い手で、口をかくして、オ~ホ~ホ~とわらった。
「いえいえ、おばけじゃありません。この、りょかんのものですよ。よろしくねぇ」
おばあさんは、ぼくに、ニタリとわらいかけてから、
「おしょくじは、さきになさいますか。おふろのあとになさいますか」
と、パパにきいた。
「さきに、おふろにはいります。ごはんのまえに、あせをながしたいので」
「さようですか。かしこまりました。では、おへやに、ごあんないしましょうねぇ」
ゆかを、ギッシギッシへこませながら、おばあさんが、暗いろうかのおくへと、歩き出した。
「ほら、どうした。行くぞ」
立ったまま、うごけないぼくのせなかを、パパがポンとおした。