「ま、まってよ」
ぼくはあわてて、パパのまねをして、体をぜんぶあらった。
ザブッと、おけのおゆで、せっけんのあわをながして、ふりかえったら、うしろに、くろいかげが・・・。
「きゃあーー!おばけ!」
「いえいえ、おばけじゃありません。りょかんのものです。おゆかげんを、みにきたんですよ。おどろかせて、すみませんねぇ」
ゆげの中から、ヌゥ~ッと、ガイコツみたいなかおが出てきた。
ガイコツみたいだけど、よく見ると・・・ほんとだ、にんげんのおじいさんだ。
「どうぞ、ごゆっくりぃ~・・・」
おじいさんは、ヒタヒタ、ヒタヒタと、おふろから出ていった。