フミヤは吸血鬼のモリオを縁側の下にあんないしました。
もう一度ネズミを呼ぶと、さっきのエプロンネズミがめんどくさそうに出てきました。
モリオをしょうかいし、今までのできごとを話して聞かせました。
そして歯をかえてくれるかどうかたのんでみました。
ネズミはちょっと困った顔でしたが、
「しょうがないですねえ。今度だけですよ」
と、うなずいてくれました。
そうして、今は二人とも大人のりっぱな歯をもっています。
しかし、一つふしぎなことがあります。ネズミは人間の子供の歯をどうしているのでしょう。
フミヤが聞いたところによると、ネズミは自分の歯とこうかんしているわけではないようです。
人間のこどもにあげる強い歯は工場で作っているのだとか。
そして、交換した子供の歯は、科学的にぶんかいして、とうきのうつわを作っているそうです。
骨や歯は丈夫なカルシウムがふくまれているので、昔から人間も入れ物を作ってきました。
そして、吸血鬼の歯は、なんとミキサーのハとして使っています。
果物をすりつぶすのにとても役にたっているとよろこんでいました。