こんどは、やさしく話しました。
「おっとさんが、なぜおこってなさるか、わかるか?」
「わからんよ」
「それは、わるさをしたからじゃよ。」
「でも、わるさはたのしいぞ」
「いくらたのしくとも、まわりにめいわくをかけてはならん。たのしいのはお前さんだけで、村人はこまっておる」
泣きやんだかっぱは、おしょうさんにたずねました。
「村人をこまらせたから、おいらおこられたんだな?」
「そうじゃよ」
「わかった、もうこまらせない。でもまた、悪さをしたくなったら、どうしたらよい?」
かっぱの皿をなでながら、おしょうさんは答えます。
「この井戸の中をのぞいて、またおっとさんに会いにこい。そうしたら、わるさをしたくなくなるぞ」
「そうするよ、ありがとう」
おしょうさんにお礼を言うと、かっぱは帰っていきました。