おしょうさんとかっぱ(5/5)

文・雪乃 椿  

それからかっぱは、わるさをしなくなりました。
やくそくを守ってくれたお礼に村の人たちは、畑でとれた野さいを川においてあげています。
その野さいをかっぱは、ありがたく食べていました。

しかしたまにはわるさをしたくなるようで、おしょうさんの寺の井戸をのぞいては、がまんしているようです。
ほら、今日ものぞきにきましたよ。
「ひぇ~、おっとさん、かんにん、かんにん! くわばら、くわばら」

雪乃 椿 について

(ゆきの つばき) 京都市に生まれ現在も在住。英知大学イスパニア語イスパニア文学科卒業後、京都大学医学部附属病院で医局秘書として勤務。物の怪、陰陽師、仏像が大好きで、いつか平安時代の大スペクタクル児童文学を書いてみたいと思っています。