「いずれにせよだな、ふんわり、にぎるのが コツなんだよ」
と、ひょっこり、うさとうさんが かおを だしました。
「うちの おばあちゃんは、ちからづよく、カンカラカンに にぎるから、すごく かたいだろう。それに、すごくでっかいし」
「うん、うん」と、うさも、うさかあさんも うなずきました。
とうさんは いいました。
「ぼくが こどものころ、ともだちんちの おにぎりを たべたとき、ふんわり、ちいさくて、『わあ、なんて じょうひんなんだろう!』って、かんしんしたもんさ」
「そういえば」
と、うさかあさんもいいました。
「わたしの ははの おにぎりも、すごく でっかかったわ」
「それって、うみべまちの おばあちゃんの こと?」
と、うさは、はなれたまちに すんでいる おばあちゃんの ことを おもいだしました。
「そうよ」
と、うさかあさんは うなずきます。
「しょうがっこうの えんそくの ときだったわ。やまに のぼって、はなを つんだり、くさすべりしたり、とても たのしく あそんだの。いよいよ おべんとうの じかんに なって、リュックの そこから おにぎりを とりだしたら、ペッタンコに つぶれて、なべしきみたいに なっていたの。それをみて、おともだちが おおわらいしたっけ」