「かめ代の正体は竜宮のカメなんだ。もう、何千年も生きていて、すごい年寄りだから、ときどき、すごく眠くなるみたい。今も、ぼくのそばで、ぐうぐう、いびきをかいている」
新一はそのすきにタブレットを開いたのでした。
「おねえちゃん、ぼく、かめ代の最後の問題、知っているよ。浦島太郎がいなくなった後、太郎をおいかけて竜宮をにげ出したおとひめを見つけること」
「そんな!」
美里は秋の部屋で、太郎と別れた後におとひめがどうなったかを、物知りの天女から教えてもらっていました。
「おとひめはお父さんの竜王の目をぬすんで、太郎を追いかけて陸に来たんだよね。でも、それは1500年前も前の話だよ。それをどうやって探せっていうの!」
「それがさ、みーちゃん」
今度は大介が話そうとした時、グォン、ドロドロという、あの車輪が回るような大きな音がして、タブレットが、ブツッと、切れました。
ふたたび、プィンと現れたのは鶴島かめ代でした。