11 神社にて
玄関から門まで一気に駆け抜けて、通りに出てみる。
が、どこを、どう捜せばいいのだろ?
なんて考えてもわかるはずがない。
こんな時には、野生の勘だ!
適当に、うろうろしよう。と、歩きはじめてみると、犬も歩けば棒に当たる?
風に乗って聞こえてくるのは、祭囃子か?
耳を澄まして、方向を確定し、音をたどる。
何回か角を曲がり、路地をいくつか突っ切った。
「あそこからだ!」
向こうに、ぼんやり、明かりが見える。
「神社か・・・」
鳥居のような影も、見える。
そこを目指して、進む。
足を速め、やっと鳥居までたどり着く。
いつの間にか、祭囃子は止み、あたりは、しんと静まっている。