エピローグ
策作じいさんは、帰ってこなかった。
帰ってきたのは、賢作さんだった。
なにが、どうなってるんだ?
さっぱりと、わからない。
でも、もしかしたら、
「あの、迷っ、ちゃい、ました?」
「迷う?」
「か、帰る途中、道に、迷って、わ、からなくなって、・・・うろうろ、しているうちに、元の所に戻、ってきて、しまった?」
「昨日の安達ケ原さんみたいに?」
「そう、昨日の、って知、ってた、んですか?」
「それより、どうしたの?」
賢作さんの手が、あたしの、頬にふれる。
あたしも、自分で、ふれてみる。
もう、どこまで、恰好悪いんだ・・・、またまた、涙、流してるのか?