お仏間で、スイカを食べている時に、じいさんは話してくれた。
「第2次世界大戦のとき・・・」
お兄さんは志願し、飛行兵になった。
そして、お兄さんの乗った戦闘機は、南の戦地に飛び、もどってこなかった。
「・・・・・・」
「しんみりすな」
「はあ」
「おまえ、キツツキにそんな暇はない」
「って???」
「キツツキは、ここに、魂送りを見に来たと言うてたやないか」
ああ、ここで、いきなり本題に入るのか。
この策作じいさんといると、展開が読めないから、困る。
「はい。でも、さっき、見物は無理だとおっしゃいました」
「ほうや。おまえがひとりでひょっこり行っても、見ることはでけん」
「はあ」
「しかーし!」
策作じいさんの、片眉が、ぴくんと跳ね上がる。
「わいが、一緒なら、でける! そもそも、結界をくぐりぬけて来た奴やから、周りのもんも、誤魔化し、いや、説得しやすいやろし」
「け、けっかいって、おっしゃいましたか? むすぶさかい、って書くあの結界ですか?」
いやいやいやいや。
んなわけない・・・、って言ってくれ、お願いだから。
展開が読めないにも、ほどがあるだろ?