2 ぴりーこぱんと、あそぶとき
ここであんこちゃんはおかしなことに気がついた。
もうすでにおかしなことだらけになっているけれど。
「そういえば、お母さんは?」
いくらお母さんがいそがしくしてるからといって、これだけ大さわぎしてたら気がついて、へやをのぞきにやって来るはず。
あんこちゃんはへやから出て、お母さんをさがしてみた。
お母さんはすぐに見つかった。なんとお母さん、ふとんですやすやねむってた。
さっきまで、家じゅうバタバタ走り回ってたのに。
「お母さん、どうしてねてるの、お母さん!」
あんこちゃんがよんでも、お母さんはぜんぜん目をさまさない。
よく見たら、口べにを口の上にだけぬってある。
おけしょうしてるとちゅうで、ねちゃったみたい。
ぴりーこぱんとあそぶとき しらないよ しらないよ
みんなはねてるし せかいはねてるし きづかない きづかない
気がつくと、ぴりーこぱんがろうかで歌いながら、おどっていた。
「せかいじゅうでおきてるの、ぴりーこぱんと、あんこちゃん」
それを聞いて、あんこちゃんはまどの外をのぞいてみた。そしてぜんりょくでツッコんだ。
「外、どうなっとんのんじゃー!」