「ちーん・・・・」
あっけにとられた気もちをひょうげんしたくて、あんこちゃんは「てん、てん、てん」のところまで、声に出して言ってみた。
「そんなわけないじゃん。ボールがホットケーキを作れるわけ・・・」
あんこちゃんが言いおわらないうちに、ぴりーこぱんが「しーっ!!」とさえぎってきた。
「そんなこといったら、ボールさんがかなしくなっちゃうでしょ! かなしくしないで、たのしくするの! あんこちゃんもてつだって!」
というわけで、二人は、キャッチボールをしてあそぶことにした。
ボールはポンポンはずむのがすきだから、ゆかで一回はずませてから、キャッチするんだって。
ポンポン。
一回はずむと、高くはずんだり、ちょっとちがうほうへとんで行ったりして、うまくとるのがなかなかむずかしい。
ポンポン。
あんこちゃんはこのあそびを楽しんでいた。
ボールもいっしょに楽しんでいるのかは、よくわからなかったけど。
ポンポン。
ポンポン。
ボールはあんこちゃんとぴりーこぱんの間を、なんども行ったり来たりした。
何回なげたかわからなくなったころ、ぴりーこぱんが声をあげた。
「ほら!みんながたのしくなったから、ボールさんもたのしくなって、ホットケーキをだしてくれるよ!」